私たちのR: ベストプラクティスの探究
改訂: 2022-03-22
紹介
『私たちのR: ベストプラクティスの探究 (R Not for Everyone: An Esoteric Guide)』はSONG Jaehyun と 矢内勇生 が共同で執筆するRプログラミングの「入門書」である。統計学の本ではない。また、本書はデータ分析の手法の解説書でもない。Rを用いたデータ分析については他の本を参照されたい。私たちが専門とする政治学におけるデータ分析については、以下の本を勧める。
- 浅野正彦, 矢内勇生. 2018. 『Rによる計量政治学』オーム社.
- 飯田健. 2013.『計量政治分析』共立出版.
- 今井耕介(粕谷裕子, 原田勝孝, 久保浩樹 訳)2018.『社会科学のためのデータ分析入門(上)(下)』岩波書店.
本書が想定するのは、次のような希望をもつ読者である。
- 分析に入るまでの段階、つまりデータの入手やクリーニング方法が知りたい
- 分析結果を自分の思いどおりに可視化したい
- 複数のモデルを効率的に分析したい
- Rでシミュレーションがしたい
- Rと友達になりたい
本書を読んでも統計学やデータ分析を理解することはできない。本書の目的は、統計学やデータ分析についての知識を持った方々と、Rを使ってもっと効率的にデータ分析をする方法を共有することである。また、統計学やデータ分析を勉強する際に、プログラミングについての副読本として読むことも想定している。
本書を読み終える頃には、Rなしでは生活できなくなっていることだろう。
本書の執筆環境については本書の巻末節を参照されたい。
進捗状況
章立ては未定。著者が書きたいものから書く予定(全部で30~35章くらいになる見込み)。
- 第I部: Rの導入
- 第II部: Rの基礎
- 第III部: データハンドリング
- 第IV部: 可視化
- 第V部: 再現可能な研究
- 第VI部: 中級者向け
著者紹介

図 0.1: 事例研究をこよなく愛する著者 (Portland, OR. 2016年2月)
Song Jaehyun(宋 財泫 [ソン ジェヒョン]; 写真左)はR黒帯の大学教員。猫好き。 主な著書:真に驚くべき業績を残しているが、この余白はそれを書くには狭すぎる。 公開したRパッケージ: {BalanceR}, {PRcalc}, {SimpleConjoint} など
- 関西大学 総合情報学部 准教授
- Email: song@kansai-u.ac.jp
- Webpage: https://www.jaysong.net
- Twitter: @Tintstyle
- GitHub: https://github.com/JaehyunSong
矢内勇生(やない ゆうき; 写真右)はR歴15年の大学教員。猫好き。主な著書:『Rによる計量政治学』(共著, オーム社, 2018年), 『政治経済学』(共著, 有斐閣, 2020年) 公開したRパッケージ:{rgamer}
- 高知工科大学 経済・マネジメント学群 准教授
- Email: yanai.yuki@kochi-tech.ac.jp
- Webpage: https://yukiyanai.github.io
- Twitter: @yuki871
- GitHub: https://github.com/yukiyanai
データのダウンロード
本書のデータは全て筆者の GitHub リポジトリから入手可能である。データは以下の手順でダウンロードできる。
- 本書のGitHubリポジトリ にアクセスする。
- リポジトリのURL: https://github.com/JaehyunSong/RBook
- dataフォルダーを選択する。
- ダウンロードするファイル名を選択する。
- 「Raw」を右クリックし、「Save Linked Contents As…」を選択する。
- 保存するフォルダーを指定して、ダウンロードする。
本書における表記法
- コードは以下のように背景に色が付けられている部分である。
- コードの中で
#
で始まる内容はコメントであり、分析に影響を与えない。ただし、"
や'
で囲まれた#
はコメントではない。また、行の途中から#
が入る場合、#
以降は実行されない。
# Hello!を出力するコード
print("Hello!")
# "や'内の#はコメントではない
print("この#はコメントではありません")
print("Hello World!") # Hellow World!を出力
- 出力結果は色付き背景かつ
##
で始まる箇所である。
## [1] "Hello!"
オブジェクト名は
変数名
や関数名()
のように文中の色付き背景で示された部分である。パッケージ名は{}で囲む。tidyverseパッケージの場合、{tidyverse}と表記する1。
ただし、パッケージ名を{}で囲むのは一般的な表記ではないことを断っておきたい。↩︎