4 分析環境のカスタマイズ
RとRStudioのインストールが終わったら、まずはRStudioを起動してみよう。このままRの学習へ移っても良いが、RStudioの設定を少しカスタマイズすることで、より快適な分析環境が構築できる。しかし、「使いやすい環境」というものは主観的なものである。以下の内容は筆者らが推奨する設定であるが、自分の好みに応じて適宜修正しても良いだろう。本章の内容はRStudio 2023.03.1+446(Cherry Blossom)をベースとしている。
RStudioの設定はToolsメニューのGlobal Options…からカスタマイズできる。
4.1 General
GeneralのBasicタブはOther以外の項目はすべてチェックを外すことを推奨する(Other項目も外しても良い)。また、「Save workspace to .RData on exit:」をNeverに変更する。
GeneralのGraphicsタブは既定値でも良いが、グラフの文字化けに悩みたくない場合は「Backend:」をAGGに変更する。ただし、予め{ragg}パッケージをインストールしておく必要がある(読み込みは不要)1。{ragg}については第19章を参照すること。
4.2 Code
CodeのEditingは以下のように設定する。「Insert spaces for Tab」の「Tab width」は2か4で良い。大きめのモニター、または小さめのフォントを使う場合は4でも良い。
CodeのDisplayはコード編集画面の見た目に関わる部分なので、好みで良いが、以下のように設定するとより読みやすくなる(と宋は思う)。ただし、「Show margin」は好みの領域であり、チェックを外している人も多い。
CodeのSavingは自分が書いたコードの保存に関する設定である。今は多くのOSがUTF-8をベースとしているので、既定値のままでも良いが、念の為に「Default text encoding:」をUTF-8にしておくことを推奨する。
4.3 Console
Consoleに直接コードを入力する場面はあまり多くないので、こちらはスキップしても良いが、「Show syntax highlighting in console input」と「Different color for error or message output (requires restart)」にチェックを入れておくと、出力結果が読みやすくなる。
4.4 Appearance
ここは完全に好みの領域である。好きなテーマ、フォント、フォントサイズ、ハイライトテーマ(Editor theme)を選択すること。
4.5 Pane Layout
ここも好みの領域ではあるが、RStudio愛好家の中では以下のような設定が定番である。具体的には左上はSource、右上はConsole、左下はすべてのチェックを外し、右下はすべてチェックを付ける。デフォルトはこのような2行2列の構成であるが、ワイドモニターを使う場合は「Add Column」をクリックすることで2行3列のような構成もできる。
4.6 Packages
こちらも既定値のままで使用に不便はないが、「Primary CRAN repository:」を日本(Japan)にすることで、パッケージのダウンロードがやや速くなる。
4.7 R Markdown
R MarkdownのBasicで優先的に設定するところは「Show output preview in:」をViewer Paneに変更することだ。Windowだとknit/renderする度に新しいウィンドウが表示されるため、不便だ。また、画像や数式を入力する際、編集画面にプレビューが表示されるが、こちらを消したい場合は「Show output inline for all R Markdown documents」のチェックを外し、「Show equation and image previews:」をNeverに変更しよう。
最後にR MarkdownのAdvancedは見た目に関するものなので、好みで良いが、個人的には「Enable chunk background highlight」と「Use rainbow fenced divs」のチェックはおすすめだ。とりわけ、Quartoを使用する場合、後者は非常に便利である。
すべての設定が終わったらOKをクリックする。