シラバス

履修者のみなさまへ

 自分のPCにRとR Studioをインストールしておいてください。本来はクラウド環境である「JDCat分析ツール」を使用する予定でしたが、集中講義期間中は使用できないことが判明しました。インストール方法については『私たちのR』の「第2章:Rのインストール」および「第3章:IDEの導入」、「第4章:分析環境のカスタマイズ」を参照してください。

概要

  • 科目名: 方法論特殊講義III(プログラム講義計量政治学方法論Ⅰ)
  • 講師: 宋財泫 (ソン ジェヒョン)
  • 所属: 関西大学総合情報学部
  • 時間: 2023年8月17、18、21、22、23日 2〜4限目
  • 教室: フロンティア館 303教室

授業の内容

 本講義は、近年政治学において関心が高まっている「因果推論」を行うための諸手段を 理解・習得することを目的とする。最初に、最良の因果推論とも称される RCT(ランダム 化比較試験)を説明し、RCT が不可能な際の手法としてマッチング、回帰不連続デザイ ン、差分の差などを紹介する。

評価

  • 授業貢献度 30%
    • 授業への参加度、質問など
  • 期末レポート 70%
    • 期末レポートの内容は初回の授業で紹介する

履修上の注意

 統計学に関する基礎知識が必要である。目安は母平均の差の検定、および線形回帰分析が理解でき、統計ソフトウェアで実行・解釈が可能なレベルである。

 本講義における共通言語はRである。Rの使い方に関しては既にインターネット上に膨大な情報がある。矢内勇生(高知工科大学)が執筆中の以下の資料(無料で閲覧可能)を参照することも1つの選択肢である。

 統計学および定量的分析、Rの使い方については以下の書籍を講義開始日までに読んで おくことを強く推奨する。

 R スクリプト作成の際、{tidyverse} というパッケージ群を積極的に活用する。この パッケージには {dplyr}、{ggplot2} などのパッケージが含まれている。各パッケージの 使い方を習得するには以下の教材を推奨する。

教科書・参考書

以下は本書の内容を(一部)カバーする書籍の目録である。必ずしも購入する必要はないが、予習・復習において適宜参照することを推奨する。

本講義との関係

Intro/RCT Matching Diff-in-Diff RDD IV
AP 2008 Ch.2 Ch.3 Ch.5 Ch.6 Ch.4
AP 2014 Ch.1-2 Ch.5 Ch.4 Ch.3
森田 2014 第16章 第18章 第22章 第20章
星野・田中 2016 第1-8章 第9章 第10章 第11章
中室・津川 2017 第1-3章 第7-8章 第4章 第6章 第5章
伊藤 2017 第1-2章 第5章 第3章
安井 2020 第1章 第2-3章 第4章 第5章
Cunningham 2021 Ch.2-4 Ch.5 Ch.8-10 Ch.6 Ch.7
松林 2021 第1-5章 第8章 第6章 第7章
高橋 2022 第1-3章 第4-12章 第15-18章 第13-14章

講義内容・参考文献

因果推論の考え方

RCT(Lab Session)

履修者全員がRの操作に慣れていると判断した場合、Lab Sessionは省略し、最終日に操作変数法の講義を行う。

マッチングとその応用

差分の差分法

回帰不連続デザイン

操作変数法

 以下の内容はLab Sessionを行わない場合のみ、解説する。