私たちのR

ベストプラクティスの探求

著者
所属

関西大学

高知工科大学

公開日

2020年 06月 22日

更新日

2024年 04月 17日(公開日から1395日目)

紹介

『私たちのR』は宋財泫(SONG Jaehyun)と 矢内勇生が共同で執筆するRプログラミングの「入門書」である。統計学の本ではない

また、本書はデータ分析の手法の解説書でもない。Rを用いたデータ分析については他の本を参照されたい。私たちが専門とする政治学におけるデータ分析については、以下の本を勧める。

本書が想定するのは、次のような希望をもつ読者である。

  • 分析に入るまでの段階、つまりデータの入手やクリーニング方法が知りたい
  • 分析結果を自分の思いどおりに可視化したい
  • 複数のモデルを効率的に分析したい
  • Rでシミュレーションがしたい
  • Rと友達になりたい

本書を読んでも統計学やデータ分析を理解することはできない。本書の目的は、統計学やデータ分析についての知識を持った方々と、Rを使ってもっと効率的にデータ分析をする方法を共有することである。また、統計学やデータ分析を勉強する際に、プログラミングについての副読本として読むことも想定している。

本書を読み終える頃には、Rなしでは生活できなくなっていることだろう。

本書の執筆環境については本書の最後を参照されたい。

著者紹介

事例研究をこよなく愛する著者 (Portland, OR. 2016年2月)

宋財泫(そん じぇひょん[SONG Jaehyun]; 写真左)はR黒帯の大学教員。ではなく、。猫好き。 主な著書:真に驚くべき業績を残しているが、この余白はそれを書くには狭すぎる。 公開したRパッケージ: BalanceR, PRcalc, SimpleConjoint, woRdleなど

矢内勇生(やない ゆうき; 写真右)はR歴15年の大学教員。猛猫。主な著書:『Rによる計量政治学』(共著, オーム社, 2018年), 『政治経済学』(共著, 有斐閣, 2020年) 公開したRパッケージ:rgamer

本書における表記法

  • コードは以下のように背景に色が付けられている部分である。
print("Hello!")
  • コードの中で#で始まる内容はコメントであり、分析に影響を与えない。ただし、"'で囲まれた#はコメントではない。また、行の途中から#が入る場合、#以降は実行されない。
# Hello!を出力するコード
print("Hello!")

# "や'内の#はコメントではない
print("この#はコメントではありません")

print("Hello World!") # Hellow World!を出力
  • コードの右端に表示される丸付き数字(など)は各行の解説を意味する。数字部分にマウスのカーソルを乗せると解説が表示される。
df |> 
   select(ID, Col1:Col3, Col8) |>
   filter(ID <= 100) |>
   print(n = Inf)
1
dfからID列、Col1からCol3列、Col8列を抽出する。
2
IDの値が100以下の行を抽出する。
  • 出力結果は灰色の枠線で囲まれた領域である。
[1] "Hello!"
  • オブジェクト名は変数名関数名()のように文中の色付き背景で示された部分である。

  • パッケージ名は{}で囲む。tidyverseパッケージの場合、{tidyverse}と表記する1

データのダウンロード

 本書のデータは付録の「データセット」から入手可能である。

著作権

本著作物は クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利-改変禁止 4.0国際ライセンスの下に提供されています。

目次

章立ては未定。著者が書きたいものから書く予定 (全部で30~35章くらいになる見込み)。

  • 第1部: Rの導入
    • 1章: R?
    • 2章: Rのインストール
    • 3章: IDEの導入
    • 4章: 分析環境のカスタマイズ
    • 5章: Rパッケージ
  • 第2部: Rの基礎
    • 6章: プロジェクト管理
    • 7章: 基本的な操作
    • 8章: データの入出力
    • 9章: データ型
    • 10章: データ構造
    • 11章: Rプログラミングの基礎
    • 12章: 関数の自作
  • 第3部: データハンドリング
    • 13章: データハンドリング [抽出]
    • 14章: データハンドリング [要約]
    • 15章: データハンドリング [拡張]
    • 16章: データハンドリング [factor型]
    • 17章: 整然データ構造
    • 18章: 文字列の処理
  • 第4部: 可視化
    • 19章: 可視化[理論]
    • 20章: 可視化[基礎]
    • 21章: 可視化[応用]
    • 22章: 可視化[発展]
    • 23章: 表の作成
  • 第5部: 再現可能な研究
    • 24章: R Markdown [基礎]
    • 25章: R Markdown [応用]
    • 26章: Quarto入門
    • 27章: 分析環境の管理
  • 第6部: 中級者向け
    • 28章: 反復処理
    • 29章: オブジェクト指向プログラミング
    • 30章: モンテカルロ・シミュレーション
    • 31章: スクレイピング
  • 付録

今後の『私たちのR』

  • R MarkdownとQuartoの内容は統合される予定です。
    • 3章構成を考えてます。
      1. 基礎編
        • Markdownの基本文法
        • Chunkについてもここで説明
        • 余裕があれば、R Markdownについても少し紹介
      2. 応用編
        • より高度な使い方
        • よく使うYAMLヘッダーの設定
        • 日本語PDF
      3. 発展編
        • スライド(revealJS)など
  • 「文字列の処理」の完成
  • 「パッケージ」章のアップデータ
    • Namespaceについて少し詳しく触れる予定

  1. ただし、パッケージ名を{}で囲むのは一般的な表記ではないことを断っておきたい。↩︎