私がTeXを使う理由

多くの方はMicrosoft Wordを使って文書作成をしていると思います。私もその一人であり、Microsoft Wordを使う場面が多いのは事実です。しかし、Microsoft Wordのみを使う方と共同作業する場合以外にはほとんどTeXを使っています。そのメリットとしては

  1. 文書の見栄がいい
    見栄よりも中身が大事だということは確かなことです。それでもTeXは見栄がいいです。Microsoft Wordで見栄の良い文書が作成できないということではありません。むしろ、頑張ったらMicrosoft Wordの方がより見栄のいい文書が作成できると思います。しかし、TeXはそれがデフォルトです。
  2. 数式の入力が簡単
    経済、理学、工学系でTeXが定番になっている理由は多分これかも知れません。数式の入力はMicrosoft Wordと比較するのが失礼であるほど速いですし、その美しさ(見やすさ)も全く違います。
    インターネットで検索してみたら両者を比較したものが山ほどあります。
  3. Version Controlが出来る
    GitHubなどを使えばVersion Controlも出来、共同作業が楽になります。
  4. 文書の中身だけに集中できる
    文書のフォーマットはarticleやreportなどのテンプレートで用意されているので、私たちがやることは中身の文章を入れるだけです。図の位置を細かく調整したり、行間を調整したり、字間を調整する必要はありません。その全てを「見栄のいい」ように自動的に調整してくれます。
    もちろん、TeXでもその細かな調整は全て出来ます。調整できるところはMicrosoft Wordよりも遥かに多いです。
  5. マウスをほとんど使わない
    このメリットは私のとって大きいです。私はマウスを使うのが大嫌いです。キーボードとマウスを行き来すると腕の疲れも倍になります。また、作業速度もキーボードの方が速いです。
  6. 参考文献の作成・管理が便利
    BibTeXと連動すれば参考文献を本文中に引用するだけで、自動的に文末の参考文献に追加されます。BibTeXの管理が面倒くさいと思うかも知れませんが、実はMendelayなどの文献管理ソフトのオプションをオンにすると自動的にBibTeXファイルが生成され、同期されます。
  7. 無料
    みんなMicrosoft Wordとかは持っているでしょうし、そこまでメリットではないかも知れませんが、一応、無料です。

デメリットもあります。

  1. 日本ではTeXファイルを受けてくれるところがほぼない
    これは分野によります。経済や理学、工学系ならTeXはある意味で業界標準です。しかし、政治学はまだまだです。しかし、海外(欧米)まで視野を広げると政治学におけるTeXの地位はMicrosoft Wordとほぼ変わりません。ほとんどのジャーナルがTeXで入稿可です。
  2. 始めるのが難しい
    TeXを使わない最も大きい理由でしょうね。Microsoft Wordも使えてTeXも使えたら絶対損はしないはずですが、それでもユーザーが少ないのはその必要性が現在のところあまりないことと、入門にコストがかかるという点でしょう。たしかに、Microsoft WordのようなWYSWYGに比べて始めるのは大変ですが、1ヶ月くらい頑張ったらMicrosoft Word並み、いや、それ以上の便利さが実感できます。

LaTeX環境の準備

コンパイラのインストール

  • Windows
    • 知りません。興味ありません。
  • macOS (旧OS X)
  • ShareLaTeX [Link]
    • 面倒くさい設定をしなくてもインターネットに繋がっているパソコンならいつでも文書作成が可能です。日本語文書およびBeamerも可能[参考1][参考2]。無料では最大6名まで共同作業が可能です。
    • 有料版ならDropbox, GitHubなどの同期、編集履歴の閲覧、共同作業制限なしなどの機能が付きます。

エディターいろいろ

 Texmaker, TeXStudioなどのIDEもありますが、「重い」です。汎用性のあるテキストエディターを用いれば、最初の設定がやや面倒くさくてもずっとラクラクに使えます。以下の3点は私が使ったことのあるTeXのエディターです。
各エディターでTeX環境の設定はGoogleなどで検索したら山ほど出てきます。

  • Vim [Link]
    • メリットとしては*NIX系のOSなら必ず入っているエディターということです。私が最初にパソコンを接した時(1994年)から使いましたが、今はショートカットをほぼ忘れています… Emacsもそうですが、Vimのショートカットはもっと簡単であり、覚えると生産性が何十倍も上がります。
      今はあまり覚えていませんが、いくつかのパッケージをインストールしたらTeXのコンパイルはもちろん出来ます。
  • Atom [Link]
    • 私は以下のSublime Textを使ってますが、そろそろこっちに移行するかも知れません。デメリットとしてはSublime Textに比べて重いということですが、日々改善されています。エディターの機能としてはSublime TextとEmacsの間という感じです。
      簡単にコンパイルもできますし、エディター内部でPDFを見ることもできます。
  • Sublime Text [Link] 

 


参考になる資料・図書

  • LATEXによる論文作成の手引き [Link]
    • 「まずは使う」という意味ではいいと思います。私もはじめはこれでした。無料ですし。
  • 奥村晴彦・黒木裕介. 2013. 『[改訂第6版] LaTeX2ε美文書作成入門』技術評論社 [Amazon]
    • 定番中の定番です。これ一冊あればほとんどのことはできます。
  • 吉永徹美. 2009. 『LaTeX2e辞典~用法・用例逆引きリファレンス 』翔泳社 [Amazon]
    • 奥村本の次のステップはないと思います。後はこの本さえあれば必要な時に辞書のように使えます。
  • Google [Link]
    • エラーが出たり、本にも乗ってないものはだいたいGoogleで検索したら出ます。
  • TexWiki – TeXの本 [Link]
    • TeXに関する色んな本が紹介されています。